平家落人の秘話や伝説が今なお残る秘境の祖谷地方など、千年を超える歴史的な文化や景観が残されています。トンネルをくぐり抜ける度に移りゆく清らかで美しい里山や渓谷の景観と、「千年」というはるか昔に思いを馳せながら、隠れた日本の魅力を見つけ出してください。
「新日本百名山」のひとつ、飯野山の別名は“讃岐富士”。その名の通り、なだらかな裾野が美しい山で標高422mの小さな“富士山”の、春にはふもとに桃の花のじゅうたんが広がります。山頂からは讃岐平野に浮かんでいるようなおにぎり形の山々と、青い色の穏やかな瀬戸内海が見えます。
弘法大師空海の生誕地。四国霊場第75番札所。東西二つの院に分かれ、東院を伽藍、西院を誕生院とそれぞれ呼んでいます。東院の伽藍には金堂・五重塔・鐘楼などがあり、西院には御影堂を中心に諸堂が建ち重ねた罪を取り除く「戒壇めぐり」の場もあります。
琴平山(象頭山)の中腹に鎮座する金刀比羅宮は、古くから「海の神様」として親しまれています。御本宮まで785段、さらに奥社までは1,368段と長く伸びた石段の参道が有名で、道中にも重要文化財の建築物や、美術品などを収めた御社が点在しているほか、レトロな情緒溢れる町並みが続いています。
毎年7月上旬から8月中旬にかけて、25万本ものひまわりが町全体に咲き誇ります。ひまわりの栽培面積は町内全域で500~600アール程。帆山団地では町内の9割近くの面積が団地化され、毎年500~550アールに作付けされています。列車の窓からもすぐ近くにご覧いただけます。
列車が急勾配の峠を登るため、一旦加速線に後退して勢いをつけてから進む、全国的にも珍しい“スイッチバック”のある駅です(四国には土讃線の新改駅と坪尻駅のみ)。坪尻駅には列車か徒歩でしか行くことができません。観光客以外定期的に利用する人も無くまさに「秘境の駅」です。
西日本第2位の高さを誇る標高1,955mの「剣山」。周辺部には日本に前例がない傾斜地集落と独特な農村景観が歴史的に形成されてきました。一つ一つ積み上げられた石垣と畑、住居などが傾斜地に見られます。集落ではこの傾斜地空間を最大限に生かした多種多様な農業が展開されています。
大歩危小歩危(おおぼけこぼけ)は、2億年の時を経て四国山地を横切る吉野川の激流によってつくられた約8kmにわたる溪谷で、そのちょっと変わった名前の由来は、断崖を意味する古語「ほき(ほけ)」から付けられたという説と、「大股で歩くと危ないから大歩危」、「小股で歩いても危ないから小歩危」という説があります。
吉野川は高知県と徳島県を流れる河川で、一級河川に選ばれています。全長は194kmと四国第二位の長さを誇り、流域は四国の約20%にあたる広さを占めています。また日本三大暴れ川の一つであり、利根川の坂東太郎、筑後川の筑紫次郎に並び、四国三郎の名で知られています。
吉野川支流の祖谷川にあり、屋島の戦いで源氏に敗れた平家が落ちのびたとの伝説が残っています。落人が追っ手から逃れるために考案したといわれている日本三大奇矯の一つ「かずら橋」や、ミシュラン2つ星に登録された「ひの字渓谷」が有名で、最近では外国人旅行客がたくさん訪れています。