列車の安全運行ならびに事故防止のため、線路近接工事を行う際は事前に弊社と打合せして頂き、必要に応じて線路近接工事に関する協議(以下、「近接協議」)をお願いしております。
なお、近接協議は、建設工事公衆災害防止対策要綱(令和元年9月2日 国土交通省告示496号)に基づき実施しておりますので、皆様のご理解、ご協力をお願いいたします。
線路近接工事の具体例
足場の仮設・撤去、重機を使った掘削
- 線路の近くで足場が倒れると列車と衝突する恐れがあります。
- 線路近くでの掘削は地盤がゆるんで線路がかたむき、列車が脱線する恐れがあります。
樹木の伐採、測量等の人力作業
- 線路近くで伐採した樹木が線路側へ倒れると列車と衝突する恐れがあります。
- 人力作業等で線路に立ち入ると列車と衝突する恐れがあります。
クレーンの使用、高架橋付近での掘削
- 線路近くでクレーン車が倒れると列車と衝突する恐れがあります。また、吊荷や機械がJR電線に触れ感電する可能性があります。
- 高架橋などの鉄道施設近くでの掘削は地盤がゆるんで構造物がかたむき、列車が脱線する恐れがあります。
トンネル上部での杭打ちや掘削
- 鉄道のトンネル上部で杭打ち、掘削や地盤改良等を行う場合、トンネルなどの地下構造物に損傷を与える可能性があります。
弊社への申込から工事着手までの流れ
申込方法
申込方法は原則メールとなります。近接協議の要否を判断するため、「事前チェックシート」に必要事項を記入し、補足資料を添付したメールを担当保線区まで送付してください。
※送信時のメールタイトルに「近接工事」と記載してください。
申込先の確認
弊社窓口となる担当保線区をご確認下さい。保線区の担当者は「用地担当」になります。
施工場所 | 担当保線区 | 住所 | 電話番号 | メールアドレス |
---|---|---|---|---|
香川県内 (本四備讃線児島~宇多津間を含む) |
高松保線区 | 高松市浜ノ町9-23 | 087-825-1681 | [email protected] |
愛媛県内 | 松山保線区 | 松山市南江戸1-14-1 | 089-926-3051 | [email protected] |
徳島県内 | 徳島保線区 | 徳島市徳島町城内1-31 | 088-652-6864 | [email protected] |
高知県内 | 高知保線区 | 高知市栄田町3-2-3 | 088-822-8127 | [email protected] |
近接協議の要否に関する連絡
事前チェックシートの内容や現地調査から近接協議の要否をメールにてご連絡します。
(追加で補足資料の提出、保線区での打合せや現地立会等をお願いする場合があります。)
保線区へメールを送付してから1週間以上連絡がない場合は、お手数ですが再度電話にてご連絡ください。
近接協議の実施(協議文書の取交し)
近接協議が必要となった場合は「協議書」の提出が必要です。
「協議書」様式をダウンロードし、必要事項の記入と補足資料を添付のうえ担当保線区まで郵送をお願いします。
協議書の受領から2~4週間程度で担当保線区から「回答書」を郵送します。
(回答書には、安全対策に関する要請事項や電線防護等の費用について記載しています。)
回答書と合わせて「請書」を同封しますので、回答内容に異議等なければ請書に押印のうえ担当保線区まで郵送をお願いします。
請書の受領をもって協議成立となります。
保安打合せ・工事着手
工事着手に先立ち、施工会社の作業責任者(または申込者)と担当保線区間にて1週間毎に対面での保安打合せが必要です。打合せに必要な資料や日程調整等は担当保線区へお問い合わせください。
回答書の内容を作業員を含んだ関係者全員に周知徹底したうえで工事を実施してください。
協議内容に変更が生じる場合、速やかに担当保線区へご相談ください。
線路近接工事の事故事例
線路内にて無断測量中に発生した電車線(トロリ線)損傷
アルミ製箱尺がレールと電車線に接触して約7000Aの大電流が流れ、鉄道施設が損傷しました。
- 写真はJR社員による再現イメージです。
お客様への影響:約550人
当社施設の損傷(トロリ線、レール)
損傷状況
溶損した電車線(トロリ線)
溶損したレール
溶損した箱尺
よくあるお問合せ Q&A
- Q1保線区との協議開始から工事着手まで、どの程度時間がかかりますか。
- A1内容にもよりますが、通常およそ1~2か月必要です。JR電線防護等の安全対策が必要な場合、さらに数か月必要となる場合がありますので、できるだけ早めに申込をお願いします。
- Q2列車見張員を配置するよう指示されましたが、JRで手配してもらえるのですか。
- A2弊社では列車見張員や工事管理者などの鉄道資格者は原則手配しておりません。申込者から一般の警備会社等へお問い合わせいただき手配してください。
- Q3線路からどの程度離れていれば近接協議は不要となりますか。
- A3概ね線路中心から8m程度としていますが、あくまでも目安であり、使用重機や施工内容、周辺環境によってはさらに広がる場合があります。判断が難しい場合は担当保線区へ申込してください。なお、書類作成のために線路からの距離を測定する際は目測等で構いません。事故防止のため、無断で線路内(鉄道用地内)に立ち入ることは絶対にしないでください。
- Q4メールや電話での説明が難しいので、直接お伺いしたいのですがよろしいですか。
- A4保線区係員は外出していることが多いため事前チェックシートを使用したメール等でのお申し出をお願いしていますが、難しいようでしたらアポイントを取ったうえで担当保線区へお越しいただいても結構です。
- Q5申込者側の費用負担はありますか。
- A5協議自体など一般的な範囲については無償で対応しますが、電線防護等の安全対策や鉄道有資格者等の手配など工事に起因する費用は、申込者のご負担となります。
- Q6(道路管理者向け)跨線橋の法定点検も事前チェックシートが必要ですか。
- A6跨線橋点検において線路内へ立ち入ったり、列車の建築限界内で作業する必要がある場合は事前チェックシートは不要です。
アポイントを取ったうえで担当保線区へ対面での協議にお越しください。
- Q7 鉄道用地と隣接土地との境界(筆界)を確認したいのですが、窓口はどこですか。
- A7こちらも担当保線区内の「用地担当」となります。「土地筆界確認依頼書」様式をダウンロードし、必要事項の記入と補足資料を添付のうえ担当保線区の用地担当まで申込してください。
筆界確認書を締結する場合、現地調査や境界立会を含め通常およそ2~4か月必要となり、弊社代表者印による隣接境界線証明書や用途廃止同意書等が必要な場合はさらに数か月必要となる場合がありますので、早めに申込してください。
なお、個人の方で申込が難しい場合は、各県土地家屋調査士会へご相談ください。